飲食店の内装も外装も看板もワンセットで世界観を作る

飲食店の内装は顧客サービスの第一歩です。椅子や照明だけではありません。 案内表示やメニューの親切さも顧客サービスです。インターフェイスを整えれば、お客様が利用に悩むこともなくなります。
お客様へのサービスは3つのパターンの提供が重要です。良質で美味しい食事は基本になります。そして気持ちの良い接客が2つ目です。最後は過ごしやすい空間作りになります。 実は重要な4つ目も存在するのです。それは分かりやすいインターフェイスになります。注文の仕方やレストルームへの標識、お会計の場所などが悩まずに直感的に行えるように内装を整えることも飲食店では大切な要素です。

飲食店にデジタルを取り入れる方法

飲食店 内装

飲食店の合理化が進みある店舗ではロボットが配膳を行い、ある店では食券前払い方式が導入されました。しかしお客様によっては分かりにくいと言う声も少なくありません。内装の中にデジタルを組み込むのならば、ユーザーに親切なシステムと構造にしなくてはいけません。

飲食業界の中でいち早くデジタルツールを導入したのは回転寿司業界だと言われております。早い段階から順番待ちや注文システムを電子化して、デジタルで厨房と接続してダイレクトに食べたいメニューを発注出来るシステムを構築しました。ユーザーには出来立てのメニューが提供されますし、回転寿司のロスが少なくなるので経営的にもプラスされる部分が多くなります。

しかしタブレットなどに慣れていない高齢者や子供のために、マイクとスピーカーも設置しておき従来型の人と人のやり取りを残していることもユーザーインターフェイス的には正しい選択です。タブレットの使い方が分からないと店員に怒鳴るお客様を見ることは、他のユーザーにも好ましい状況ではありません。店舗内装の中でデジタルツールでの注文と、スピーカーを利用した注文の余地を残すことは大切なことです。

インターフェイスは直感的で分かりやすいことが大切な要素になります。デジタルツールが得意な人に会わせるのではなく、むしろ苦手な人でも操作出来るようにシステムを構築しなくてはいけません。一歩進んで導入している回転寿司業界は、お店側もお客様側もシステムを受け入れているのが現状ですが、他の飲食フランチャイズ店ではまだまだ浸透しておりませんし、システムにも稚拙な部分があるのが現状です。

ユーザーインターフェイスを店舗内装に取り入れる

飲食店 内装

ある伝説的な経営者は、新製品をプレゼンする時に言いました。高機能なのは当たり前であり、見知らぬ人が直感的に使えるためのインターフェイスを我が社は提供することを約束します。アメリカを代表するパソコンメーカーであり、近年はスマートフォンブランドとして知られている企業の創業者の言葉です。

これはユーザーインターフェイスと言う概念であり、必要な情報に最小で進むためだけではなく、直感的にアクセスするための機能と使い勝手の融合になります。このコンセプトを店舗経営に取り入れてゆくことが、これからは小売りに限らず飲食店でも必須の条件です。メニューの費用を抑えるためにタブレットでの注文や、セルフサービス式の受け取りや片付けをする飲食店も増えてきました。まだこの習慣は根付いていないこともあり、戸惑うお客様が多くいますが、問題点は注文から食事をして片付けるまでのインターフェイスにあります。

その行動が直感的であるかと問われれば、贔屓目に見ても不備は多くて分かりにくいことが特徴です。分岐点的に考えてゆくと、追加注文を行う方法やご飯のお替りなどをする方法など、選択項目はあるはずです。お店によって食券前払い式と、タブレット注文をして食後に支払う場合など煩雑なコースになっております。本当にユーザーのことを考えるのならば改良点は少なくありません。

これはデジタル的なシステムの問題ではなく、飲食店が提供する導線の問題なのです。入り口と出口までをロールプレイして、分かりにくい部分は改良して行かなければなりません。まだまだ稚拙な部分が目立つのが飲食店のユーザーインターフェイスです。

飲食店で大切なことは整理と清潔

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飲食店で備え付けの調味料を手に取ったら、手にソースや醤油が付いてしまったことがある人は少なくありません。そんな時におしぼりがあれば解決しますが、紙ナプキンしかなくて手を拭いてもベトベトしてしまいます。店内を見渡しても水道はなく、手を洗う場合はレストルームへ行かなければなりません。こうした仕様が親切かと問われるのならば、親切ではありません。調味料のケースが清潔でないことも、おしぼりがないことも手洗い水道がないことも、ユーザー目線で見ればサービスの欠如を感じます。

店舗の内装やレイアウトや設備を決定する時には、このような状態を想定してから内装をデザインしてゆく必要があるのです。デザインは見た目だけではなく使い勝手を指し示す言葉であり、近年ではユーザーインターフェイスと言う概念で語られることが多くなりました。つまりユーザーインターフェイスは人間の行動であり、直感的に欲しい物や困ることを考えることで物事をシンプルで使いやすくする思いやりなのです。

飲食店の建物を作る時には、こうしたインターフェイスを考えることが重要になります。入り口には店内で食事が出来るメニューの見本があり、混雑している時のために予約表や待ち時間のための椅子が並んでいれば、直感的にお客様は名前の記入をしてから椅子に座って順番を待つのです。

こうした店舗づくりはインテリアだけではなく、お店全体で作って行かなければなりません。とくに近年はデジタルツールの台頭から、券売機の利用や電子マネーでの支払いなど、注文方法も決済方法も多様化しております。飲食店の内装やフォーマットも直感的に扱えるようにアップデートする必要があるのです。

飲食店の本質は末端的な部分に現れます

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営業や商談で相手先の企業へ行った時には、その会社のトイレを借りてチェックすると本質が分かると言います。掃除が行き届きトイレットペーパーや石鹸が設置されていて、鏡も綺麗に磨かれていたのならば合格です。逆に掃除がしておらず清潔感がない、トイレの出入り口周辺に物が置かれていて出入りがし辛いなどの第一印象を抱いたのならば、商談に関しても注意しなければいけません。他にも照明が切れている、テーブルに穴が開いているなどはチェックしておくことをお勧めします。本質は末端に宿るのです。

飲食店の店舗運営も同じことになります。商品のメニューと実物の乖離が激しい、価格が変動しているのにメニュー表を直していないなどお客様にとってはルーズに感じられてしまう要素になるのです。また前述したようにトイレの清潔さや、通路の整理整頓などもお店の性格を判断する材料になっております。お客様はこうした部分を見て気が付いているのです。内装の綺麗な店は整理整頓も行き届いているケースが多くあります。整頓は飲食店の基本です。 店舗デザインと言われると意匠的なデザインばかりイメージしますが、使い勝手の良さやお店の清潔感に繋がる部分もデザインの要素になります。

また照明のカバーが汚れていると室内が薄暗くなってしまいますし、ガラス窓が汚れていると不潔な印象を与えてしまいます。食べ物屋が不潔と思われたら終わりです。お客様は正直なので、足が遠のいて後は悪循環の連続ですぐに不採算店になってしまうのです。もう一度繰り返すと、意匠的なものだけではなくインターフェイスや清潔感もデザインの一部なのです。

近年はユーザーフレンドリーやユーザーインターフェイスの概念が拡大しております。デジタルの世界だけではなく、実店舗に取り入れて成果を上げる企業も少なくありません。 分かりやすい導線や利用のしやすさだけではなく、清潔で知りされたお店は配慮が隅々まで行き届いております。食事だけを提供するのではなく、安心や安全の気持ちを提供することも飲食店の大きな役割なのです。